目を覚ませ！

『新しい朝がきた 希望の朝だ』
ラジオ体操がこう歌う。


確かに、今日一日どんな出会いがあるんだろうと思うとドキドキする。
が、平日の朝は眠たくて眠たくて『布団の中から一生出ねぇ』ってのが本音だ。
そんなひねくれた根性を叩き起こすのに、今はめっきり携帯電話のアラームの力を借りている。たまに『こんな朝早くに電話してくんなや』と寝ぼけたまま、ピッと切ってまた寝るという最悪なミスをする時がある。遅刻した時って世界が終わった気になるよな。


昔は、オカンが卵をといてる音でよく起きたもんだ。
６畳に４畳半の狭い町営住宅に、あの『カンカンカンカン』って音が大音量で響きわたっていた。とても心地良い音でね、それから気付く香りもまた、たまらなく最高の気分にさせてくれた。台所に立つオカンの後ろ姿を布団の中から見つめ、『朝飯は何かな』なんつって楽しみで起きていた。

これからもクソ眠い朝をきっと迎えるんだろうけど、そんなことをたまに思い出しては『新しい朝だ』つって目を覚ましてみよう。


思い出を忘れさせない今の朝は、今のオレに、とても大切なことなんだと思う。


ノザキジュンヤ